過食嘔吐がもたらすものとは

▼若い女性の間で流行している

これは聞いた話ですが、若い女性の間で過食嘔吐が流行しているといいます。ちょっと耳を疑う話ですが、確かに太ってしまうのを予防する簡単な方法として利用している方が多いようです。

 

最初は友人に促され、「吐くだけ」と簡単に考えて行っているようですが、それほど楽観視出来るものではないようです。

 

▼吐き癖なるものが付く

最初は全く問題ないのですが、そのうち「吐き癖」なるものが付いてきます。美味しいものをお腹いっぱい食べても、吐くことによってリセットすることが出来るという知恵がつくと、そのうち吐くということが癖になってしまうのです。

 

▼その癖が常習化する

本当に吐くだけで太ることがなくなるので、その癖が常習化していきます。そうなると何が起こるのかというと、胃や腸がしぼんでしまい、食べ物を受け入れることが出来にくくなるのです。それ故、次第に吐くという行為をしなくても、食後は勝手にトイレに行きたくなるという現象が起きてきます。

 

▼体が栄養失調状態になる

当然食べたものを吐いているので栄養状態が悪化します。すると体はどうするのかというと、飢餓状態となり食べ物を狂ったように欲するようになります。よって、腹がはちきれんばかりに食べるのですが、当然吐く癖がついてしまっているので、消化吸収することなく全て吐いてしまいます。

 

▼栄養失調以外に何が引き起こされるのか

吐くという行為は胃酸が逆流するということなので、食道や器官、歯や口内を酸で焼いてしまいます。逆流性食道炎のような生易しいものではなく、硫酸をかけられているようなものなのでひどい場合は出血して血が止まらなくなります。歯も溶け出してボロボロになります。

 

また、過食によって胃下垂にもなり腸や子宮を圧迫して機能低下を引き起こします。自律神経も刺激するので、常に神経過敏となり落ち着かなくなります。

 

▼栄養失調がもたらす深刻な悪影響

一番深刻なのは栄養失調による影響です。人間の体は栄養が足りない時は自分の体を溶かして栄養に変換するというシステムがあります。よって痩せていくのですが、順序として内臓脂肪→皮下脂肪→筋肉+骨の順で分解されていきます。内臓脂肪や皮下脂肪ならいいのですが、筋肉や骨が分解され始めると、体を支えることも難しくなり、更に血液中にタンパク質が溶けだすので血液が汚れ、腎臓や肝臓に深刻なダメージを及ぼします。

また、女性の場合はまず生死に関わる臓器や器官に栄養を優先する為に、子宮や胸腺といった女性らしさを保つ場所への栄養供給がストップします。よって、無月経や不妊症を引き起こす原因になります。

 

▼予後

過食嘔吐は軽い程度であれば、それほど予後は心配することはありませんが、骨や筋肉まで溶け出してしまい、食事が全くとれない、更に歩けない状態まで行ってしまった場合には、予後は極めて不良となります。下手をすれば一生普通の生活を送れなくなることもあるので、絶対に軽い気持ちでダイエット目的の過食嘔吐はしないようにすべきです。