なぜ日本人は緊張しやすいのか

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オリンピックなどを見ていると、日本人は皆一様に顔がこわばっており、いかにも緊張してます!というのが伝わってきます。これは真面目に取り組んでいる証拠であり、全く問題ではないのですが、何となく「余裕」というものが感じられません。これは日本人にだけ共通しているように感じています。

 

▼なぜ緊張しやすいのか

そのカギは脳内にあります。脳内にはセロトニンと呼ばれる不安や緊張、興奮を和らげる神経伝達物質があります。その神経伝達の量を決めているものとして「セロトニントランスポーター」という遺伝子があります。その遺伝子の型によってセロトニンの量が決まってしまうのです。遺伝子の型には一番小さい「SS型」中間の「SL型」大きい「LL型」とに別れています。当然、小さいSS型はセロトニンの量が少なく、LL型は多いということになります。

 

▼日本人は「SS型」が多い

アジア圏には比較的SS型が多いらしいのですが、特に日本人はSS型が多くなっているというデータがあります。逆に欧米やアフリカ系ではLL型を持つ方が多く、それにより明るく開放的な人が多い傾向にあるようです。よって、オリンピックなどで日本人はガッチガチに緊張しているのに対し、欧米の方々などは余裕があり楽しんでるという風に見えることが多いのでしょう。

 

▼緊張は悪いこと?

しかし、緊張は決して悪いことではありません。緊張することによって筋力は高くなり、そして機敏に動くことが出来るようになります。また、脳のコンピューターも機敏に動くようになるので、運動などに関してはむしろいい方向に働くと考えていいでしょう。

 

▼しかし、緊張しすぎは逆効果

緊張がいい効果をもたらすといっても、それは適度な緊張のことです。緊張しすぎると、脳内にコルチゾールというストレスホルモンが流れ込み、人間らしい高度な脳である前頭葉の動きを抑制してしまいます。前頭葉が抑制されてしまうと、それによって制御されていた大脳の不安や怒りといった原始的な部分の抑制が効かなくなります。これにより感情が暴走してしまい、更に緊張が増すという悪循環に陥ります。当然、更に前頭葉が抑制させるので、高度な戦略や計算、会話などが出来にくくなり間違いが多くなったり、理性的にものを考えることが出来なくなります。そうなると、考えて行うようなスポーツは全てうまくいかなくなるという現象が引き起こされます。

 

▼そのマイナス効果が大舞台に出てしまう

全てではないですが、今やっているオリンピックなどの大舞台にその影響が出てしまいます。特に緊張の度合いが強い人にとっては、自分の能力を発揮出来なくなってしまうことも考えられます。浅田真央ちゃんがあがり症かどうか分かりませんが、緊張しているのがヒシヒシと伝わってきますので、やはりそれなりに緊張しているが故に失敗してしまうのかもしれません。

 

▼鍛えれば治る?

セロトニントランスポーターは鍛えれば変わるというものではありません。よって、慣れれば多少は緊張しなくなるとは思いますが、本質的なものは変わっていないので、場所などが変われば同じように緊張してしまうということになるでしょう。