腰痛の大半がストレスである理由

▼腰痛を訴える人は本当に多い

あなたのまわりにも必ずいるはずです。「腰が痛い」と嘆いている人。早い人では中学生くらいから腰の痛みを訴えて病院などを受診するというケースもあるようです。よく総合病院などに行く機会があるのですが、内科の次に行列が出来ているのが整形外科というのがほとんどです。

 

▼腰痛が引き起こされるメカニズム

腰痛が引き起こされるメカニズムとしては治療が必要なケースとして

・腰椎椎間板ヘルニア

・脊柱管狭窄症

・骨折

・細菌感染

尿路結石

などが主なものとなります。

 

それ以外の原因としては腰椎内の炎症や血流障害によって痛みが発生し、その痛みを脳が過大評価してしまっているというものです。背骨内部というのは血管が網の目のように張り巡らされており、血液の流れや血管内炎症の影響を多く受ける場所となっており、ストレスによる血管内炎症や血管収縮による血流障害によって痛みが引き起こされやすくなります。

 

通常、脳は痛みを過大評価することはないので、多少の腰の痛みであれば少しの違和感程度で我慢できない痛みとまでなることは少ないのですが、ストレス状態の時は少しの痛みでも過大評価してしまう傾向にあり、それにより腰の痛みが我慢できないほど強く出る場合があります。

 

▼なぜ脳は痛みを過大評価するのか

なぜ脳は過大に痛みを評価してしまうのでしょうか。そのメカニズムは完全に解明されているわけではありませんが、ストレス=神経過敏という図式が示す通り、腰の痛みだけではなくストレス状態にあると、全ての痛みや音、視界に入るものなどを機敏に感じとり過大に評価してしまうという傾向にあるようです。そのように機敏に反応することにより、速く走ったり、能力以上の力を出せたりなど、緊急状態に対応できるように体が変化していると共に、痛みに対してもその緊急性を分からせる為に過大評価しているのだと思われています。

 

▼その場合の治療法は

脳が過大評価してしまっているだけなので、治療法としては痛み止めやブロック注射をするのではなく、脳の緊張状態を緩和させるという方法がベストな方法となります。よって、基本的には薬を使うのではなく、ストレスの原因が分かっているのであれば、その原因を絶つということを自分で行うようにします。もし、それが避けられないものであれば、その方に適合した精神を安定させてくれるような薬を用いるようにします。また、運動や趣味に没頭する、動物と触れ合うなどの解消法を積極的に取り入れるようにすることも大事です。

 

▼筋肉が疲れていることも多い

更に、脳の過大評価とは別に体幹部の筋肉が疲れてしまっているが故に、体を支える骨の負担が増えて痛みが発生するということもあります。ストレスの長期化や体の酷使、栄養状態の悪化、偏食、甘いものの過食などがあると、筋肉が恒常性を保つことが出来なくなり脆弱化してしまいます。それにより骨への負担が増大し、痛みが発生することがあります。

 

この場合の治療としては、ストレスを軽減させ、更に酷使があればそれを改善することを基本として、バランスのよい食事をしっかり摂取するということが大切になります。またベルトをするなども有効であり、腰をしっかりと固定して歩くようにするといいでしょう。各種漢方薬などで、心身を壮健にするものや、栄養状態を改善させてくれるようなものも効果的です。

 

また、逆にカチンコチンに凝り固まっているが故に栄養供給が遮断されて痛みが発生している場合もあります。この場合には体の酷使を改善させると共に、ストレッチを行ったりマッサージを行うなどして、凝り固まった筋肉をほぐすことを行います。特に臀部の筋肉が凝り固まっていると腰痛が発生しやすいので、臀部を集中的にほぐすようにします。