ストレスは脳を破壊する
現代はストレス社会といわれている
現代は情報化社会であり、様々な情報が目や耳から入ってきます。それにより、常に脳が刺激され続けており、ストレスの感受性を高めてしまいます。更に、何事にも「常識」というものが付きまとっており、その常識があることによって「それを守らなければならない」ということもストレスになっていると思われます。
このように世の中を住みよい社会とするためのルールや常識が、人びとの行動を制御することによって、逆にストレスをもたらし住みにくい社会に変えてしまっているという皮肉な現状があります。
確かに昔のような暴力事件は減ったと思いますが、逆にルールというものに縛られ、更にそのルールの裏側を縫うような巧妙な犯罪行為やいじめなども増えているという現状があるので、どっちがいいのか分からないというのが正直な答えです。
ストレスは脳を破壊する
その現代人が多く抱えているとされるストレスは脳を破壊します。よく「頭が真っ白になる」という言葉を聞きますが、そのような時は決まって緊張の度合いが強い時であり、ストレス状態と同様の状態といえます。
では、なぜストレス状態になると頭が真っ白になってしまうのでしょうか。答えは緊張状態の時というのは、古い脳である大脳の方が活発になり、高度な脳とされる前頭葉が抑制されてしまうからです。なぜこうなってしまうのかというと、大脳は人間の生死を管理している脳であり、食べる、逃げる、戦うといった本能的なものを制御している脳であり、ストレス状態の時は考えるよりも本能に従うように、古来よりインプットされているからです。
これは進化の過程で出来上がったメカニズムであり、例えば戦場で生きるか死ぬかという場所では、高度な作戦を練るよりもとっさに本能に従って「ヤバいと思ったら一目散に逃げる」「いけると思ったら攻め込む」といった行動を起こした方が身の危険を回避できるからです。
これらの理由から、ストレス状態になると、計算や作戦を練るなどを行う高度な脳である前頭葉が抑制されてしまい、正常な思考が出来なくなってしまうのです。
更に恐ろしいのが
更に恐ろしいのが、ストレスを抑制するために分泌される「コルチゾール」というホルモンです。このホルモンは腎臓の上にある副腎皮質から分泌されるのですが、ヒトがストレスを感じた時に、そのストレス反応から身を守る為に分泌されます。
よって、なくてはならないものなのですが、多く分泌され過ぎると脳関門を通過して脳にたどり着き、脳を破壊するということが分かっています。
コルチゾールは通常のストレスでは脳関門を通過しないのですが、強いストレスがかかり続けると分泌が増え脳関門を通過するようになります。そのコルチゾールの影響を最も受けやすいのが、海馬や前頭葉だといわれています。
海馬は記憶を司る部分であり、ここを損傷すると記憶力が大幅に低下するということが分かっています。前頭葉は先ほども出てきましたが、計算を行ったり、戦略を練る、儲けを出すにはどうすればいいのか、女性を口説くにはどうすればいいのかなど人間にしかありえないとされる高度な思考を司る部分です。更に前頭葉は大脳の興奮を抑制するということも分かっており、イライラや不安といった自律神経の不安定も安定させるという働きを持っています。
これらの部分がコルチゾールによって破壊されると、記憶力の低下や自律神経の不安定、計算や会話が出来にくいなどの障害が出やすくなります。
そして抜け出せなくなる
怖いのは、前頭葉に障害が及ぶと、大脳の不安やイライラといった症状を抑制することが出来にくくなるので、感情的になりやすくなり、精神疾患などになりやすく治りにくくなります。この堂々巡りから抜け出すのは容易なことではありません。
抜け出す方法
抜け出す方法として提案するのが
・ストレスからの脱却
・規則正しい生活
・ビタミンB群Cの摂取
・添加物の多いものは食べない
・質のいいタンパク質の摂取
・適度な日光浴と運動
などを意識しながら、後はなるべく自分自身でストレスを作り出さないように、答えの出ない思考はやめるようにして、時間が経過するのを待つということです。
また、前頭葉を回復させなければなりませんので、前頭葉を刺激する
・他人との会話
・本を読む
・異性を口説く
・恋をする
・仕事をする
・ブログを書く
・オシャレや趣味を磨く
などを適度に無理なく行うようにします。
これらをストレスを受けて脳が障害を受けていたと思われる年月の、少なくても倍の時間かけて治していくということが求められます。