周富徳氏の命を奪った誤嚥性肺炎とは

周富徳氏が死去

料理の鉄人」などテレビの料理番組などで活躍した中華料理人の周富徳(しゅうとみとく)さんが8日、肺炎のため入院先の横浜市内の病院で亡くなった。71歳だった。葬儀は近親者で営んだ。

 横浜市中華街で料理人の父の仕事を見ながら育つ。高校卒業後、中華料理店やホテルでの修業などを経て、自ら店を経営、評判となる。

 軽妙な語り口と明るいキャラクターでNHK「きょうの料理」やフジテレビの「料理の鉄人」、テレビ東京の「浅草橋ヤング洋品店」などに出演する他、タレント活動も幅広くこなした。

 

料理の鉄人、周富徳さん死去 71歳 肺炎のため:朝日新聞デジタル

 

原因となった誤嚥性肺炎とは

誤嚥性肺炎とは、通常の「細菌」や「ウイルス」による肺炎と異なり、誤って飲食物が肺に入ってしまい肺炎を引き起こす疾患です。

 

通常、肺炎といえば風邪の原因にもなる細菌やウイルスなどが肺に住み着き、そこで炎症を起こす事によって発症します。誤嚥性肺炎の場合は、このような原因とは全く異なり食べ物や飲み物、唾液などが誤って進入してしまい、それにより肺内部で炎症を起こしてしまう疾患です。

 

通常、肺には飲食物は入り込まない

通常、食道と気管支の分岐点には「弁」が付いていて、それが開け閉めされることにより飲食物は食道から胃に入り、空気は気管支から肺に入るという順序を辿ります。よって、飲食物が肺に入り込むということはないというのが通常です。

 

なぜ入り込んでしまうのか

ではなぜ肺に異物が入り込んでしまうのでしょうか。通常、普通の元気な人でもまれに入り込むことがあります。そんな時はいわゆる「むせる」という状態になり、早急に異物は吐き出されます。しかし、このむせるという行為もなく、飲食物が肺に入り込んでしまうケースがあります。そのケースとして一番多いのが「脳の誤作動」です。喉にある食べ物と空気とを選別する弁は脳が管理しています。よって、脳が誤作動を起こせが当然弁も誤作動を引き起こすので、食事をしてものを飲み込む時は気管支側の便が閉じなくてはならないものが開いてしまい、飲食物が流れ込んでしまうのです。更にその周辺の神経も誤作動を起こしているので、「むせる」という行為も起こりにくくなります。

 

当然、肺には出口がないので炎症が起こる

当然、肺には出口がなく一度入り込んだ飲食物はその場に残り続けます。すると入り込んだ飲食物が腐敗をして細菌などが繁殖し、肺全体が炎症を引き起こしてしまいます。体力がある場合は炎症を鎮火させることが出来ますが、体力が乏しい場合や、繰り返し誤嚥が繰り返されると炎症が拡大してしまい命を奪われる原因になってしまいます。

 

誤嚥性肺炎は高齢の方に多い疾患

以上のように誤嚥背に肺炎という疾患は脳の誤作動によって引き起こされます。誰でも高齢になると脳も老化しやすくなるので機能低下を起こします。よって、誤作動もおおくなり誤嚥も多くなる傾向にあります。このような理由により、誤嚥性肺炎は老人にしかあまり見られない症状であり、脳の機能低下が進むと多くなる疾患とえいます。特に、痴呆症やアルツハイマーといった脳の機能低下がある方に多く見られるという傾向にあります。