韓国船沈没・逃げ出した船長は罪に問われるのか

韓国船が沈没

 【ソウル=加藤宏一】韓国南西部、珍島の沖合で修学旅行の高校生ら475人乗りの旅客船が沈没した事故は18日、発生から3日目を迎えた。韓国メディアなどによると、事故当時、20代の3等航海士が船長の業務を代行していたことが判明。潜水士が船内への進入に成功したが、同日昼ごろ、船は完全に水没。難航する救助に乗客の家族の不満は高まっている。

 

韓国船沈没、進まぬ救助 20代航海士が操船指示 :日本経済新聞

 

船長は逃げて無事

船長が乗客の救助を指揮せず、乗組員と真っ先に脱出したとの情報があり、批判が出ている。 

韓国船沈没 乗客には待機命じ…船長、真っ先に逃げた? ― スポニチ Sponichi Annex 社会

 

船長は罪に問われるのか

基本的には罪に問われることはないようです。義務として乗客の避難経路を確保したり、避難について説明するというのはありますが、それをきちんと行っていれば、自主的に避難したという行動について罪に問われるということはないようです。

 

しかし、乗船してきたお客に対し、しっかり避難経路の説明をしていなかったり、避難のボートや避難誘導灯の提示、避難経路の確保などが整備されていなかったのならば、罪に問われる可能性があります。

 

また、事故当時の支持として「部屋で待機するように」というようなアナウンスが繰り返し流されていたということや、事故当時船を操縦していたのが船長ではなく、20代航海士が行っていたことに対し、過失が認められるかどうかが争点になると思います。

 

例え過失が認められないとしても、遺族から訴えられることは必須であり、逃げてしまったという負い目と共に、様々な困難が船長及び乗組員を待ち構えているというのは言うまでもありません。

 

ではどうすればよかったのか

これは結果論なのでいまいち説得力にかけますが、すぐに転覆するということを判断し、救助ボートを海に放ち乗客を避難させるということをしなければなりません。今回のケースを考えると、船長及び乗組員は転覆すると確信していたのにも関わらず、乗客及び船員にそれを伝えず、自分の命を優先したと考えられます。もし、分かった時点でアナウンスをし、乗客を海に逃がすような支持が出来ていたのならば、これほどの大惨事にはなっていなかったと予想されます

 

実際事故に遭遇したらどのような行動をすべきか

これは非常に難しい問題です。海に飛び込んだらいいと思いますが、もし真冬であればすぐに凍死が待っており、船内に閉じこもっていても今回のケースのように沈没してしまう可能性があります。一番安全なのは救助ボートで逃げるという方法であり、次は海に逃げるという方法です。場所にもよりますが、今回のようにすぐに救助が来る可能性がある場合には、ボートに乗れそうにないと判断された場合には海に逃げ、余計な体力を使わないように仰向けになって浮かぶか、漂流物につかまって救助を待つというのが安全な方法です。