人は何故脂っぽいものが好きなのか

脂っこいものは旨い!

もちろん個人差はあるかと思いますが、脂っこいものを旨いと思う人が大部分だと思います。脂っこいものといっても何も肉やトロばかりではなく、チョコレートやスナック菓子類、ケーキ、クレープなどもあぶらが大量に含まれており、舌にまとわりつく感じは動物性の脂質となんら変わりありません。

 

売れてるものは脂っこいものばかり?

旨いものは売れる!という市場原理がありますので、必然的に旨いと感じるあぶらっこいものが売れるという図式になります。例えばみんな大好きハンバーガーは正にあぶらっこいものの代表的なものであり、ナゲットに至っては半分以上が脂質というデータもあります。また、夏場に流行するソフトクリームなども脂質がたっぷりと含まれており、これもあぶらっこいものといえます。ご飯やさんなども各種ラーメン屋、カツ屋、牛丼店などが流行っており、これらもずべてあぶらっこいものといえます。

 

なぜこれほどまでに人を惹きつけるのか

脂質は人間にとって必須の栄養素であり、糖質と同様に即座にエネルギーになる物質です。それ故、人間が本能的に求めている味ということになります。更にこんなデータがあります。脂っこいものを食べた群と、あっさりとしたものを食べた群とを分け、その後両群にストレスを与え脳波を測定したところ、脂っこいものを食べた群はそれほどストレスを感じていなかったのに対し、アッサリしたものを食べた群はあぶらっこいものを食べた群の倍以上のストレスを感じていたというデータがあります。このように、人間は本能的に脂質はストレスを緩和するという働きを持つことを知っていることにより、脂っこいものを好む傾向にあるのではないかという説もあるのです。

 

確かに幸せを感じる

確かにあぶらっこいものを食べると、より強い幸せを感じることができます。この幸せを感じるということにより、脳が快楽物質を分泌し、それによりストレス耐性がアップするのだと思われます。更に、その快感を脳が覚えていて、麻薬のように癖になってしまい、次から次へとあぶらっこいものを求めるのかもしれません。

 

脳にはいいが体には毒

脂質は人間にとって必須の栄養素ですが、その欲望にかまけて取りすぎてしまっては毒になります。脂質は取りすぎると血管や脳、肝臓などに沈着して、血管を詰まらせたり、脳や肝臓の機能を低下させりします。深刻になると脳梗塞や肝機能障害、脳障害などを引き起こしてしまうので、医療機関では少しでも脂質の摂取を控えるようにという指導がなされます。このように体には取りすぎると毒となる脂ですが、先ほども書いたように、脳神経にとっては脂質は快楽物質となっており、そのギャップが私たちを苦しめるのです。

 

どうすればいいのか

簡単です。週に一度だけ思いっきり自分の好きなものを食べ、他の日は健康的でバランスの取れた食事を摂るようにするということを徹底するのです。それにより、健康も守られますし、週に一度だけ食べられる脂っこい食事を特に美味しく感じることができるのです。更にお財布にも質素な方が優しいので良い事尽くしです。