同居する人が減り続けている理由と、老後の問題
▼同居する人が減り続けている
比率については、核家族、単身世帯が増加をし、直系家族は減少しています。
この記事でも分かるように、現代では昔からいわれてきた「長男は親と同居する」という神話が崩れつつあります。
昔は当たり前であった大家族と呼ばれるおじいちゃん、おばあちゃんと長男家族、更にはひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんまでが皆同じ屋根の下に住むという形態は段々と減ってきているというのが現状で、特に都心部でその傾向が強くなっているようです。
▼なぜ減少しているのか
理由は至って簡単、嫁が同居を嫌がるからということでしょう。長男の思惑としては(長男だけとは限らない)ならば、家を購入する必要もなくなりますし、両親と同居して親の面倒を見てあげられるということで、かなりのメリットを見込める同居ですが、「妻の大反対」という何よりも強靭な力によって、同居を断念せざるを得なくなるのです。
▼それだけではない
しかし、同居を困難とさせているのはそれだけではありません。今は親の方からも「面倒な同居はしたくない」という意見が増えてきているようです。同居するということは孫の面倒を常にみなければならないという問題がありますし、更に「わがままな嫁」が鼻にさわり余計なストレスをもたらすことを知っているのです。それにより、老夫婦の側から同居を拒むという例も増えてきており、更に核家族化に拍車をかけているのです。
▼核家族化のメリット・デメリット
廃れていく大家族、定着してきている核家族ですが、もちろんメリットとデメリットが存在します。
核家族のメリット
- 嫁姑トラブルがない
- ストレスがない
- 自分達だけの城を持つという満足感が得られる
- 親と適度な距離での関係を保てるので、良好な関係を築ける
- とにかく自由
- 友人知人を気兼ねなく呼べる
- 食事に気を使わなくても良い
核家族化のデメリット
- 子供を預けることが出来ない
- 夫婦喧嘩をした時に子供の逃げ場がない
- 新たに家やマンションを購入しなければならない
- 食費や光熱費などの生活費が高くなる
- 親夫婦が孤独になりやすい
- 病気をした時に不便
- 食事が簡素になりやすい
などが主なものとなります。
特に重要だと思われるのが、家やマンションの購入費がかかってしまうのと、子供の教育には沢山の大人が関わった方がいいというのが同居の大きなメリットとしてあり、逆に嫁姑問題による大きなストレスがデメリットとしてあるということです。
これらは社会問題として度々メディアなどにも取り上げられるほど大きな問題であり、この問題さえ解消することが出来れば、誰も悩む必要がないと思われます。
▼老後の問題
核家族化になることによって、一番問題となるのが老後の介護問題です。とはいっても、今は皆共働きであり、同居しているからといって介護できるとは限らないという現状があります。
とはいっても、同居している場合には昼間だけ介護士さんに頼み、夜は自分達で介護するという形態をとれるので、24時間介護をしてくれる介護施設に頼むよりも費用的な負担を減らすことが出来ます。
以上は介護が必要になった時の問題ですが、老後の問題はそれだけではなく、更に深刻な問題があります。その問題とは「孤独」の問題です。これは身よりのない孤独老人とは別問題で、同居していない老人で夫婦どちらか片方が先に亡くなってしまった場合には、毎日一人で生活しなければならないということになり、常に孤独となってしまうという問題点があります。
人間にとって孤独は猛毒だとされており、疾病を引き起こしたり、脳の痴呆を急速に早めるということが分かっています。これを防ぐ目的で老人会やデイサービスなどがある訳ですが、大家族による刺激には程遠いというのが現状です。
以上のように、同居ストレスと孤独の問題など様々な問題を現代社会は抱えています。これらの問題を解消するのは当人はもちろんのこと、行政などの協力も必要になってきます。
私にはまだまだ関係ないと思っている方でも、老後に備えた人生設計をしておくことが必要になりそうです。