GSユアサ(6674)とローランドDG(6789)について調べてみた

原油価格下落一服を受けて株価が上昇した日本株式市場です。とはいってもこれは一時的な現象であり、今後も神経質な値動きが続くと思われます。

 

そんな中、不可解な下げ幅を見せているGSユアサとローランドDGの銘柄分析を行いました。

 

まずはGSユアサですが、14年3月期→15年3月期にて経常利益27.9%増、最終利益で30.2%増というデータがあります。更に15年3月期→16年3月期の四季報予想では同様の上げ幅が予想されています。

その他指標

ROA;2.9→来季4.0

ROE;7.5→来季9.2

自己資本比率43%

利益余剰金:43,666

有利子負債:78,230

配当;1.8%

PER:15.57

PBR:1.43

であり、成長性に対する株価は若干の割安と判断出来ますが、直近6か月で35%も株価が下げており、その点では割安と判断することができます。

 

GSユアサの事業としては

・自動車向けリチウム電池

・自動車鉛電池

太陽光発電

・産業用電池・電源事業

となっています。リチウムイオン電池はハイブリットカーの需要増により堅調に推移し、更に鉛電池、産業用電池も増加傾向にあります。しかし、太陽光発電装置は減少傾向にあり今後の課題とされています。また、鉛電池に関してですが、販売量は伸びているものの原料が高値となっており、それにより赤字幅が拡大しているという懸念材料があります。

 

現在水素による燃料自動車が話題ですが、今後は電気自動車も台頭してくることが予想されるので当企業の活躍も期待出来ます。よって、リチウムイオン電池に関しては買いだと思いますが、鉛電池の価格の懸念、太陽光発電の買取問題などを考えると、企業の先行きとしては必ずしも明るいとはいえません、割安で業績も良好ですが、実際この株を買うかどうかと尋ねられれば、水素自動車が流行しているということもあり買うという選択肢はないといえます。しばらく様子見ですね。

 

 

次にローランドDCです。業績としては14年3月期→15年3月期にて経常利益+8.3%、最終利益+0.8%。更に15年3月期→16年3月期予想として経常利益+10%、最終利益+9%という四季報予想がなされています。

 

その他指標

ROA;11→来季12.9

ROE;15.4→来季23.5

自己資本比率54.8%

利益余剰金:13,968

有利子負債:8,302

配当;1.37%

PER:10.59

PBR:2.46

であり、成長性、財務健全性共に問題ありません。しかし、株価は直近4か月で5000円→3570円と28%も下げており、投資家の買い意欲を削ぐような形となっています。理由は直近3か月の利益(2Q)が1Qの利益を下回っていることです。とはいっても、この銘柄は業績のアップダウンがある銘柄であり、多少の減額は以前にもありましたが株価に反映されていないという実績があります。よって、今回の下げは調整的な下げ要因が強いと読むことができます。

 

企業の先行きですが、3Dプリンタに力を入れており、その需要加減により大きく左右されるということが予想されます。紙の需要はこれからも約束されていますが、3Dに関しては未知数です。今のところ最先端技術ということで注目され、産業用の需要が約束されており先行きは明るいと予想できますが、家庭用の需要が高まれば更に当企業の先行きは明るいといえます。

 

以上により判断すると、長期目線では買いだと思います。がしかし、短中期目線ではチャート的に買いではないので、14年3月度の大幅業績アップによる反動が治まるまでしばし静観しておいた方がいいと思われます。それがいつになるかは全く予想が出来ません。今日の2%上げがスタートになるかもしれませんし、半年後になるかもしれません。